2025/02/17 03:50

ブログの更新がずいぶんと久しくなり申し訳ございませんでした。


イタリアのフィレンツェで、個人オーダー専門の、小さな仕立て服のお店をオープンさせてから早くも2年半が経ちました。

伝統的な仕立て文化が今でも少し栄えている古い街フィレンツェで、ロンドン被りの私が日本人の仕立て屋として、こちらの職人仲間に入れていただき大変ありがたい経験をさせていただいています。ご協力いただいている周囲のみなさまにも心より感謝を申し上げます。 


話は少し飛びますが、今回私がここで紹介したいトピックは、「麻」についてです。


<亜麻、フラックスの植物>


私の取り扱うデザインでは、「麻」を使用することが頻繁にありますが、それには理由があります。

日本工業規格(JIS)が規定する「麻」と、ここで私が取り上げているヨーロッパ製の「麻」(リネン)では、もしかしたら若干認識が異なるかもしれません。


私が使用する「麻」は、ヨーロッパ製の亜麻(フラックス)から作られるアンティークリネンや、大麻から作られるヘンプが多いです。

日本の神道で使用されるような、硬くハリのある「麻」の印象とは少し違い、アンティークリネンや、ヘンプの生地には特有の重厚感があります。


<フランスの亜麻、フラックス畑>


このようなヨーロッパ製の「麻」を服のデザインに取り入れると、全体的なシルエットに、クタッとした独特の落ち感が加わります。

「麻」の布から作られた服は、コットンなど他の布から作られた服とは異なり、若干シワになってもそれが逆に味わい深く、まるで生きたような生地感が何年経っても継続して使用できます。

フランスのヴィンテージ服は、麻やヘンプから作られたものが多くありますが、服の強度と布の輝きは、かなり古いものでも印象深く強く残っています。


また、布の物理的な強度で、「麻」は最も強い素材であるとも言われています。

伝統的に様々な文化で「麻」は船の帆やテントなどの強度が特に必要なデザインにも広く使用されています。


<モンゴルのテント>

<ドイツ製、ヘンプのジャガイモ袋>


興味深いことに、近年、量子力学の分野では「布と周波数」についての研究が広く進められているようで、ハイディ・イエレンというユダヤ人の学者が発表した内容では、「麻」の周波数が他の素材に比べて遥かに高いことが証明されています。


この学者の研究によると、健康的な人間の体の周波数は、通常100Hz前後だと言われ、一般的に肌にやさしいとされている、オーガニックコットンは同じく100Hzであるそうです。肌着やベビー服にオーガニックコットンが頻繁に使用されている理由は、身体になるべく違和感を持たせない目的のデザインの工夫からあるようです。


彼の研究では「麻」の周波数は、他と比べ非常に高い5000Hzであると測定されています。病院のベッドシーツで「麻」のシーツが使用されることが多い理由は、周波数の下がった病人の身体を癒し、周波数を高めるためであると述べられています。イエス・キリストも「麻」のローブをまとって描かれていることが多いですが、宗教的な儀式衣装に「麻」が使用されることが多いのは、「麻」という素材の周波数の高さに関連しているようです。


私も個人的にアンティークリネンのベッドシーツを愛用していますが、その心地よい肌触りを一度皮膚で味わうと、もう他の素材のシーツでは満足した休息が取れません。高波動の布が、身体を癒す効果があるということは、自身の経験から本当だと言えます。 


<アンティークリネンのベッドシーツ>


ヨーロッパでは、残念ながらアンティークリネンのような丈夫で質の高い素材は、現在どこでも製造されていません。

昔のような製造方法では人件費などのコストがかかりすぎることと、アジア産の安い「麻」がどこでも簡単に手に入るようになったからです。


私のフィレンツェにあるアンティークリネンの仕入れ先も、現在在庫にかなり限りがあるようで、値段も高騰しているのが現状です。また、パリやロンドンでは特に価値が最高値され、蚤の市のような市場でさえも「麻」はかなり高額に扱われているようです。


私は、ヨーロッパのアンティークリネンのような、ハリや硬さの無い、柔らかくクタッとした素材が好きなので、このような素材の値段が上がる傾向は、今後のデザインと価格に残念ながら深く影響を及ぼすことままなりません。


貴重な素材は、どのようなものでも残る限り最後まで大切に丁寧に取り扱っていきたいです。


このような古い価値を共有できる世界中のお客さま方には、大変ありがたく敬意を表します。

今回も最後まで読んでいただきまして、どうもありがとうございます。

MZ


<アンティークリネンのカーテンと子供服 MOMOZONO Arte della Sartoria>