2022/02/06 00:18

MOMOZONO Arte della Sartoriaは、イタリアのフィレンツェにアトリエを構えるハンドメイドのオートクチュールブランドです。

今回ご紹介させていただきたいトピックは「サステイナブル」なファッションについてです。
「サステイナブル」とは、最近ファッション分野でもよく耳にするようになった、わりと新しいビシネス用語です。「サステイナブル」(Sustainable)を英語で直訳すると「持続可能な」という形容詞になり、地球の自然環境維持に役立つプロジェクト、事業開発、アクションなどに対して使われている言葉でもあります。

大量の化学薬品を使って染められた生地で問題視されている水や環境汚染などの被害から、ファッション分野においても環境汚染問題へのソルーションとして「サステイナブル」という考え方が広く浸透されるようになりました。その結果、「サステイナブル」な概念が多くの繊維産業、ブランド開発にも投入されるようになりました。ビートルズのポール・マッカートニーの三女でファッションデザイナーのステラ・マッカートニーが提案する、レザーや毛皮を全く使用しないという新しい靴やバッグのデザイン方針は、新素材への新しい開発投資を生み出し、他のブランドへも強い影響を及ぼしました。将来、衣服のために動物をこれ以上殺さないという目的で打ち出された彼女の人間らしいファッションコンセプトは、イギリスの新しいファッション理論として大きく注目も浴び、ヨーロッパのみならず世界的な反響を得ました。

写真上:耐水性のある再生紙を利用して作られた帽子  Reinhard Plank 


写真上:ヴィンテージのレザージャケットを再利用して作られたショルダーバッグ MOMOZONO Arte della Sartoria original


環境にやさしいファッションデザインを意味するのに「サステイナブル」と似た言葉で「エコ」という言葉が使われることがあります。
しかしながら、ファッションにおける「サステイナブル」と「エコ」には若干の考え方の違いがあることはご存知でしょうか。

「エコ」(エコロジーecology)とは、英語で「生態学」のことを意味します。
地球上に生体する全ての存在とその環境の相互作用に着目した概念のことを「エコ」と呼びます。一般的には「地球環境にやさしい」という意味合いで使われていますよね。

「サステイナブル」とはその一方、地球環境の保護以外にも、人権問題や経済の循環をより良く回すための議論が含まれており、深く吟味された社会学的な視点も取り上げられています。従来問題視されている、人権を無視した工場の奴隷のような労働制や社会的に弱い立場である人々の考慮も「サステイナブル」の焦点に当てられています。また、なるべく地元産の素材を扱い経済を循環させていくという地元企業の経済戦略にもこの概念が当てはまります。

①環境の持続性
②ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)、人権的尊重
③新しい経済開発と循環

以上のような意味合いが「サステイナブル」という言葉には含まれているのですね。

写真上:アンティークの麻の着物をリメイクして作られたシャツ MOMOZONO Arte della Sartoria original

MOMOZONO Arte della Sartoriaでは、10年以上前の事業立ち上げ当初から、地球環境にやさしいことを意識した衣服づくりに常に焦点が当てられています。

地球環境をこれ以上害することのない素材選びは、MOMOZONO Arte della Sartoriaでは欠かすことのできないデザイン概念です。リサイクル資源、デッドストック資源を頻繁に利用する理由はここにもあり、アンティークやヴィンテージの素材は、現在のファースト生産法ではほぼ再現が不可能なクオリティーの高さにも魅力があります。
インテリアデザインの世界では一時期アンティーク家具に着目した「シャビーシック」なんて言葉も生まれましたが、ちょっと古いオシャレを再利用するという動きでした。一見古くて見すぼらしいオブジェクトでさえあっても、既成の価値概念を外して良く見ると、実は非常に豊かなデザインであるということに気づかされるというマルセル・デュシャン的な概念です。

MOMOZONO Arte della Sartoriaでは、過去では日本の古布やボロ生地を扱うことも多くありましたが、それらの資源の源は昔の農民など貧困層の野良着や丹前の切れ端でした。パッチワークされたアンティーク生地は、過酷な生活状況で生み出された人々の生活の知恵と逃れられない問題への荒々しい解決策が集結しています。これらの日本のボロ文化は、現在過酷な環境汚染問題に真正面から直視し立ち向かわなければならないファッション界の課題に、新たなデザイン考察と問題解決の大きなヒントにを与えました。


写真上:ボロジャケット MOMOZONO Arte della Sartoria original

MOMOZONO Arte della Sartoriaの「サステイナブル」なデザインを語る上で、貧困層の生活の知恵から学んだインスピレーションは欠かせません。世界では、現在でもブラジルの「ファヴェーラ地区」やイタリア南部ナポリの「スカンピア地区」などのように貧困層とマフィア文化で生活が成り立っている自治体が存在しています。これらの文化に共通して見られる傾向として、ゴミへの価値観の違いがあります。「ファヴェーラ」のようにゴミの中から収集した木片をつなぎ合わせて粗末に構築された住宅街などからは、まるで生き延びるための根性とスピリットがまとまってかき集められたような強烈な印象を受けます。これらの文化は建築やインテリアデザインのみならず、ファッションデザインにも大きく影響を与えるようになりました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ファヴェーラ

また、今後さらに環境を汚染させず人権をも考慮したデザインを考える上で、最も心がけないといけない課題は生地の染色法だとMOMOZONO Arte della Sartoriaでは考えられています。MOMOZONO Arte della Sartoriaでは、生地の色を人口加工する際は全て、ハンドメイドで染色しています。特に染色する際には、排水口からの環境汚染を防ぐため、特別な自然排水設備を設けています。なるべく化学薬品を使っての染色法は避けることを心がけ、自然摂取した植物を煮出して生地を染める、草木染め(くさき)にも現在研究を進めています。

コロナウィルスの影響もあり、現在世界のファッションの流れは大きな変動期を迎えています。新しいファッションに対する人々の意識は、つくり手のみならず使い手の顕在意識にも新たな選択が強いられるようになりました

今までのように何も考えなく商品を大量購入し使い捨てるという大量消費文化から、多くの人が目を覚まし初め、購入者の新しい意識を考慮したデザインが新たに注目されています。使い捨てのファースト文化の姿勢を続けることでは明るい未来が投影できないような時代になり、これからの社会や環境にやさしいものづくりは現代のクリエイターにとって必須の課題となりました。新しい意識とその需要に対する必然的な答えは、ファッション以外の多様な分野の角度から見ても今後の新しいデザインを考察する上で重要な鍵とされています。

MOMOZONO Arte della Sartoriaでは、今後の地球がより良くなる未来デザインと、美しい自然環境の保護に配慮した衣服づくりを目指しています。もう今後とも地球に負担を押しつけ続けるようなプロダクト作りは我々人類には必要となくなりました。これからのファッションデザインには、現在多くの人類が見出し初めている新たな消費意識を基盤とし、過去の集合意識とそれに今だに支配される無意識の洗脳をくつがえす強い力が必要となるでしょう。より良い目覚めた新しい集合意識が今後もさらに集まり続け、未来の明るい衣服文化が再び再建される日が近いことをMOMOZONO Arte della Sartoriaは心より望んでいます。

最後まで読んでくださいまして、どうもありがとうございました。

敬具
MOMOZONO Arte della Sartoria